ウチのはたいしたことない?
モラハラという言葉を知ったばかりの頃、モラハラの被害に遭っている方のブログをいくつか見ました。そこには、私の家とは比べ物にならないくらい、ひどいことが書き連ねてありました。
生活費を全然渡してくれないとか、ドアの外に出され、鍵をかけられて閉め出されたとか。身体的な暴力がある方もいました。
いやいや、うちの夫はそこまでしないから、モラハラじゃないのかな?うちは全然たいしたことないなぁ。やっぱり私が悪いのかな。
でも、苦しいです。夫が帰宅するときは胸がドキドキします。何かしようとすると、その場にいない夫のダメ出しが聞こえてきます。
大小は関係ない
介護施設で働いていましたが、そこで虐待の疑いのある職員が解雇されました。その職員は、寝たきりの女性の顔の上に布団をかけたり、認知症で車いすの女性の入浴時に、顔にシャワーでお湯をかけていました。ニヤニヤ笑いながらです。
私も現場にいたことがありますが、ゾッとしました。もしも、仕事がいっぱいいっぱいでイラっとしてやった、ついカッとしてやったというのなら、話としてはわかりやすいです。もちろん、だからといって、プロである介護職員がしていいことでは絶対ありませんが。
でも、その職員はイラっとして、ついやってしまったという感じではないのです。本当にただいじめているという感じでした。笑いながら。
結局、私も含め、数人の虐待目撃情報により、その職員は解雇されました。その後の理事長の談話の中にこんなことが書いてありました。
虐待の大小は関係ない。するか、しないかだ。
結局、虐待をする人というのは、相手の人格を無視している。最初はたいしたことないようなことでも、必ずエスカレートしていく…
モラハラと同じだと思いました。最初は取るに足らない、軽口のような言葉。それがいつしか、私の心にグサッと刺さって取れない言葉に変わっていきました。
そもそも普通は、相手を傷つけるような言葉を使わないですよね。悪気無くとか、売り言葉に買い言葉のように、つい使ってしまうことはあるかもしれません。だけど、わざと何度も使うことはありません。
日常的に言葉や態度で人の心を傷つける。それこそが問題なんだと思います。そこに大小は関係ありません。あなたが「これはたいしたことない。こんなのどこでもあるよ」と考えるのは、本当にそうなのか、現実を見たくないためなのか、じっくり考えた方がいいかもしれません。そして、ぜひ相談機関に頼ってください!答えが出るかもしれません。