別居を決定的にした出来事

エスカレートしていくモラハラ

モラハラを知る前は、私がいつも笑顔でいれば、部屋がいつもきれいだったら、きっと夫も機嫌良くいてくれるだろうと思っていました。夫が会社へ行くときには「行ってらっしゃい」と見送り、帰ってきたら「お帰り。お疲れ様」と労っていました。

そんなふうに過ごしていても、年を追うごとに些細な、というか全然見当もつかないところから、嫌味を言われたり怒鳴られたりしました。

そして、モラハラを知った後。私は本を読み、日記を付け、ある程度冷静に、客観的に夫を見ることができるようになっていたと思います。落ち着いて受け答えしたり、反論せず聞き流したり…。それでも、何かしらこれでもか、これでもかと来るんです。

モラ夫あるあるでは、妻に土下座を強要とか、正座をさせてお説教とかありますが、それまでは一度もありませんでした。なので、夫はモラハラじゃないのかなと思ったこともあります。でも、モラハラを知った私は、夫からしたら扱いづらくなっていたのかもしれません。

ついに来ました。

冬休みは夫側の姉妹家族が泊まりに来るので、時期をずらして1月末に実家へ帰りました。2泊予定でしたが、当日になって夫が「請求書を取引先に持っていきたいから1泊にしてくれないか」と言ってきました。(私に会社で留守番してほしい)夫の姉妹たちは、毎年、春夏冬休みに1週間以上泊まっていきます。なのに私は1泊かぁと思いながらも了承しました。

ところが、翌日が大雪だったのです。めったに雪の積もる地域ではありません。スタッドレスも履いていません。30センチは積もったでしょうか。私は血の気が引きました。帰れない。ヤバい、怒られる。

案の定、帰れないと言うために電話すると、最初から怒りの声で「なんだよ」。そして話の途中で「もう帰ってこなくていいから」と切られました。午後になり、雪も解け、ようやく家に帰ることができました。そして、夫の帰りを待ちます。

玄関ドアが開いた音がして、ビクビクする私。リビングに入ってきた夫は、私の「お帰りなさい」を無視し、子供たちに言いました。「お前ら2階に行ってろ!」

そして私に「そこに座れ!」と言い、リビングに正座させられました

そしてお説教が始まりました。最近の私の態度(モラハラを知った頃)が生意気だとか、使えねー奴ほどエラそうなこと言うんだよなとか。私の母の悪口も言いました。

言い訳じゃないですが、その雪の日にやるはずだった仕事は大したことではなかったのです。私は事務をやっていたので、請求書はその日じゃなくても大丈夫なことを知っていますし、どうしても行きたければ、他の従業員に15分ほど留守番しててもらえばいいだけのことなんです。

モラハラはどこまでも続く

結局、この日から5日ほど無視が続きました。モラハラというものを知った後も、この辛さ・虚しさは変わりません。モラ夫と同居する秘訣は?という質問の答えです。

何より、やり過ごすこと、かわすことに人生の大半をつぎ込み、あなたはあなたのために人生を使わなくなってしまうでしょう。そして、あなたがあなたの人生を生きることをあきらめてしまい、楽しみや喜びからも心を閉ざしてしまわないか心配なのです。

             -『Q&Aモラル・ハラスメント』明石書店 P90-

また、別の本でもこのように言っています。

自分らしく生きることなく、彼の反応を意識しながら生きていくだろう

ー『愛は傷つけない』ノーラ・コーリ p93ー

この雪の日の件で、私の別居・離婚への道は決まりました。母親はあの日のことをこう言いました。「恵みの雪だね。仏様が降らせてくれたんだよ」

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