妻は自分の所有物

虐待加害者プログラムにて

たまたまテレビをつけたら、NHKで「しつけと虐待」と書かれたホワイトボードが目に入りました。出演者がそこに、文字を書き込んでいきます。

 

「 虐待には、支配があり、恐怖があり、怒りがある」「ではなぜ支配しようとするのか。それは、その人を自分の所有物と思っているからです」

   

前回の記事『夫が死ぬかもと思っているあなたへ』で紹介した、モラハラ加害者でありながら鬱の傾向、家族を愛している(と思っている)が、命を絶ちかねないモラ夫。そんな、一見矛盾しているように見えるモラ夫ですが、改めてどういう状況なのか考えてみました。

   

加害者がなぜうつ病になるのか

逆ならわかりますよね。毎日暴言にさらされてる側が、心が病んでいくのはわかります。でも、暴言を吐く側がなぜ?

    

モラハラは被害者に深い心の傷を与えます。しかし、モラハラ加害者自身がうつ病や適応障害と言った病気になり、クリニックに通うことは珍しくありません。(略)モラハラ加害者は、自信過剰で弱点などないように思えます。しかし、実際は精神的にとても脆、人から否定されると抱えている劣等感が刺激され、ものすごいダメージを受けるのです。

モラハラ離婚ナビ 『モラハラ加害者が鬱になりやすい?自己愛性パーソナリティ障害がもたらす二次被害とは』

同じ記事内には、「夫といると自分がモノであるかのように錯覚し」とあります。「人間としての扱いを受けていない」と感じたそうです。

 

私自身、モラハラを知らず、一番しんどい時に思ったことが、「私にだって感情がある。考えがある。 なぜそれが夫には認めてもらえないのだろう」ということでした。一人の人間として扱ってもらえない辛さでした。

   

夫が妻を所有物のように思い、支配しようとする。では、自分のモノである妻がいなくなったらどうなるのでしょう。少し状況は違うのですが、なぜ家族を愛していると言いながら、そこに向き合わず死を選ぶのかがわかりやすい記事がありましたので引用します。(スマホだと、質問は見れても回答は見れないみたいです)

     

本来自殺は、喪失感による自己否定の念慮によるものです。本来家族愛は、家族への責任感へと向かいます。本来は自殺は矛盾します。生きていてこそ責任が果たせるのです。ところが、家族に対して所有意識ないし自己同一化している場合、うつ病によって責任を果たせないことが、喪失感となって、自殺に向かうことがあります。

弁護士ドットコム『兄を自殺させた妻を訴えることはできますか?』

     

夫が自殺したと聞き、一番に思ったことは、反省の手紙でさんざん家族を愛していると言っていたのはやっぱり嘘だったのかということでした。自分のことばっかり。よく知らない周りの人は、「愛していた家族がいなくなったから絶望してだ」なんて言うかもしれませんが、当事者にしてみたらすごい違和感です。少なくとも、私は面会交流をしていたので、父としてできること、いっぱいあったと思います。

  

夫を責めたくて記事にしているわけではなくて、死ぬ死ぬ詐欺や別居により死んでしまったらどうしようと思っている方に、そこの部分で迷ってほしくないな~という思いから書きました。

   

※あくまで、私の夫および、モラハラ加害者と思われる人が死を選んだらというケースの場合の考えです

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コメント

  1. あっこ より:

    はじめまして。モラ夫と離婚して3ヶ月が経ちました。弁護士をたて、4ヶ月で協議離婚が成立しました。離婚を決意したのは息子(中1年)の一言です。「お母さん、離婚したら」。私も我慢していましたが、息子が我慢出来なくなっていたのです。そして、もちろん面会をすることで合意しましたが、息子は父親に会いたくない、父親は息子に会いたい、私は板挟みで困っています。息子は父親を「愚父」「生きている価値がない」とまで言います。息子の前で私のことを怒鳴ったり説教しているのを見て、かなり傷ついているようです。

    面会は私同伴で、息子は会っても目を見て話さない、そっけない態度をとっています。そんな息子を見て「息子と交流できないのは辛い」「死にたい」とも言っています。

    息子が会いたいなら父親に会わせますが、会いたくない、と言っているのに父親の気持ちを優先して私と息子、嫌々面会している状況です。
    息子が父親に会いたくなるように、私にも努力して欲しい、と言ってきます。

    離婚しても気持ちが晴れません。いつまで私達を苦しめるのか…早く自由になりたいです。

    • つうこ より:

      あっこさん、はじめまして。
      返事が大変遅くなり申し訳ありません。返信代わりの記事を書きましたので、良かったら見てください。⇒『親の思いと子の思い』
      一日も早く、息子さんとの穏やかに過ごせる日が来ますように。

      • あっこ より:

        つうこさん。返信代わりの記事、読ませていただきました。私は間違っていなかった…と思わせてくれる内容に、とても心救われました。

        先日の日曜日に息子と一緒に元夫に会いました。私はもちろん、会いたくはないのですが、嫌がる息子一人で会わせるわけにはいかないので、私も同伴で。息子は相変わらず態度は素っ気なかったですが、一ヶ月後の面会まで「電話をくれ、メールをくれ、息子に会いたい」などと言ってこなければ、少し息子も落ち着けそうな感じでした。

        息子が面会の後、「この後、失望させられなければいいけど」と言っていました。息子の方が元夫より大人です。

        これからもブログ読ませていただきます。今回は本当にありがとうございました。

        • つうこ より:

          あっこさん、早速読んでいただきありがとうございます。
          「くれ、くれ、くれ」って自分のことばかりじゃなければ、まだいいんですよね…。
          ほんと、息子さんの方が大人ですね。お返事ありがとうございました!